初恋の思い出 すれ違いのラブレター

小学校6年生の頃、大好きな女の子がいました。それ以前にも好きという女の子はいたのですがそれは憧れというか。

思えばこれが初恋だったのかもしれません。その子とは普通に話せていたのに好きだということを意識し始めてから急に話せなくなってしまいました。毎日学校に行っては「今日は何を話しかけようか。」と一日悩み、やっと2,3言話すくらいでした。

その子の家は大きな坂を上った丘の上にありました。会いたい。そんな思いからでしょうか。ある日から毎朝6時に起きてランニングを始めました。コースは丘の上を登ってその子の家の区画をまわって家まで帰ってくるコースです。もしかしたら会えるかも知れないと思ったのでしょうか。当時の記憶は少し曖昧ではありますが、好きという気持ちを抑えられず、表現できなかったんだと思います。

ある日、これもきっかけは覚えていないのですが、手紙を書いて彼女の家のポストに入れたのです。丁度当時徳永英明さんの「I LOVE YOU」がすきでそれに影響されたんだと思います。(興味があれば歌詞を検索してみてください。)

その時私は2種類の手紙を書いていました。一つは「僕は○○さんが好きです」ということをメインに、好きだということを伝えただけのものと、「僕と付き合ってください。もしOKなら白いパーカーを着てきてください」と交際を申し込むものでした。どちらを出すのか悩みましたが結果的に私は「好きです」とただ告白だけの手紙にしました。付き合うということが何かよくわからなかったのと、そういうことは自分の口から直接言わなければと思ったからでした。

今でも覚えています。5時半に起きました。その子の家まで走って10分ほどです。手紙を出そうかなと思うも怖くて家の前を通り過ぎる。

その区画を一周歩きながら。どうしようかな。でも決めたし。この思いを伝えたいから。出そう。

もう一度走って家の前まで行くと・・通過・・というのを何回も繰り返しました。平日だったのでいい加減覚悟を決めないと学校に遅れます。懐から手紙を出してさあポストに・・・給水所で水を飲みそこねたランナーのように通過しました。それをまた何回もくりかえしてようやく思い切りがついて投函しました。足がパンパンでした。

学校へ行くと、その子はいつもどおりでした。笑顔で挨拶をしてくれたのを覚えています。

結局小学卒業までずっと好きだったのですがその思いを伝えることはできませんでした。手紙を渡したことでかえって気まずくなってしまいました。

こうしてなんとなくですが、初恋というか、小学校の恋は中学進学とともにいつの間にか消えていってしまいました。

それから月日が経ち、中学3年の卒業間近の頃。その時仲が良かった男女の友達数人とパーティをしました。もうすぐ高校進学となりバラバラになってしまうので、みんな昔話に花が咲いていました。そんな中、私が小学時代好きだったその女の子と仲のよかった別の女子から衝撃の真実を知ることになりました。

「あんたが好きだった○○ちゃんさ、結構悩んでたんだよ。どうしたらいいのかって。」一方的に思いを伝えて困らせてしまったおかと思いましたが違いました。

「あんたが手紙に、付き合ってくれるなら白いパーカー着てきてくださいって書いたから○○ちゃんそのパーカー着ていったのに、それ以来何にもないし話もあまりしなくなったって。あんた何がしたかったの??」
よくよくあの日のことを思い出してみました。

あの日のことはよく覚えていました。朝挨拶した時に来ていた服は。間違いなく白いパーカーでした。

偶然だろうと勝手に思い込んでいたのです。私はものすごいミスを犯していました。2つ書いた手紙。選んだ方を間違えていたんです。

ただの告白の手紙ではなく、「付き合ってください」の手紙を出していたんです。彼女はからかわれたと思ったでしょうか。

まさかこのタイミングでそのことを知らされるとは・・すでに当時私にもその子にもお付き合いをしている人がいましたし、中学進学以来クラスも違い交流はほとんどありませんでした。

謝ることもできず。苦くも切ない思い出です。